2011年10月3冠を決めた菊花賞のオルフェーブルの勇姿である。(写真は石山勝敏)
明日のオークスで、本命馬シンハライトに騎乗する騎手池添謙一の祝勝前夜祭になるかと考えて、今日ここで再掲しておこうと決めた。
それにしてもオルフェーブル。血統的にも能力的にも、私自身は、歴史的名馬ノーザンダンサーの奇跡的な再来だったのではないのかと、今も信じて疑わない。
『雨は残らなかった。
道中、池添謙一オルフェーブルの外側から、何とかプレッシャーをかけようとした人馬もいたが、すべて馬群に沈んだ。撹乱する敵も、結局は存在しなかった。
安藤勝巳ウィンバリアシオンも、敵対せずに2着確保の戦法だったし、2周目3コーナーから追い上げた蛯名正義トーセンラーも、勝負には行ったが、一瞬2着はあるかと思わせたものの、3着だった。
ドキッとするようなドラマは、もはや圧倒的な力の前には、何も起こらなかった。
坂の下りから、池添謙一は、他馬とは関係なく、オルフェーブルの強さを信じきる騎乗に徹底した。
それは、最強者のセオリーである。それに徹する騎手となったことが、実は池添謙一の大きな成長なのだ。彼は、日本の競馬を背負って、信頼に足る一流騎手の一員になったと言えよう。あのトールポピーで無様に勝った騎手とは、まるで別人となった。心の逞しさを友にして。
第4コーナーを回って先頭に立ち、そのまま独走。中央競馬史上7頭目の3冠馬となって、大観衆の興奮に応えたのである。
尾花栗毛の3冠馬は、こうして生まれた。』
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