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こうして3年前を辿って行くと、元気なときには、少しでも丈夫になろうと、山を歩いてもいた。
右脚のマヒがきつくなると、バイクに替えて楽をしようとしていた。またもう一度挑戦しなければと思う今日この頃である。でなければ本当に歩けなくなってしまうかも知れないという不安はいつもあるのだ。止むを得ないのだが・・・。




ここ2か月、雨が降らない限り、朝早くに愛犬の坂路調教をやっています。

最初の1か月は、私自身の調教も兼ねて、山道(と言っても舗装道ですが)を汗をかきながら歩いていました。5KM~7Kmほどでしょうか。

しかし慣れてくると犬は野性を取り戻すかのように元気いっぱいとなり、不完全な私の脚ではとても追いつけなくなって、ついにバイクでの坂路調教となりました。何せ山道ですから上り下りがあって、自転車だと下りは爽やかに進みますが、上りには使えません。ただ喘ぐだけですから。で、原付バイクの登場となりました。

そもそもせめてもの私自身の肉体鍛錬が目的だったのに、これでは筋違いなんです。ただ日が長くなった早朝の山道は、バイクでも気持ちがいいので、私は都合良く、肉体鍛錬から精神修養に発想の大転換をしてみました・・?

愛犬はバリバリに鍛えられて、筋肉も脚の握りも盛り上がり、怖い物なしで溌剌としています。

10日ほど前、庭に出た犬が吠え立てるので、何だろうと確かめてみると、猿の軍団が現れていました。若い猿たちは、電信柱から伸びる電線にぶら下がったり、倉庫の屋根でダンスをしたりして、犬の吠え声に動じないポーズをとっています。子猿がそれを頼もしげに見守っています。

10分ほど経った頃、猿の軍団は潮が引くように山の中に消えて行きました。

話はそれでは終わりませんでした。

家には、光電話と旧来の固定電話が引かれています。電話線が異なるのです。光電話やパソコンには何の不調もなかったので、あまり使わない固定電話の異常には気がつきませんでした。どうやら他からかけると呼び出し音は鳴るのに、受話器を取ってダイヤルをプッシュしても、少しもかからない状態になっていたのです。

そのことに気がつくまでに1週間かかってしまいました。

あれ!?どうもおかしい!!電話の反応がない。

そう気づいて、まず最初に考えたのは、電話機自体の故障でした。もう7年ほど使っていたので寿命かなと思ってしまったのです。で、翌日新しい電話機を購入してセットしましたが、ダメでした。無反応状態のままでした。

ここに至って、NTTに光電話から連絡してみると、折り返し連絡があり、すぐに修理に向かいますということでした。局内のチェックで回線異常が見つかったに違いありません。

修理マンが来て、点検すると、すぐに故障の原因は判明しました。固定電話の電話線が、電信柱の受けの部分で接続不良というか接触不良になっていたようです。

これにはピーンときました。あの日の猿のパフォーマンスで引っ張られて外れたとしか思えません。猿を憎む気持ちは起きませんでした。そもそも猿には電話線を理解することなどありませんから、しょうがないとしか言えません。標高550mの山暮らしには、こんなこともあるんですねぇ。もしこの間に電話をかけ続けて下さった方がいれば、この場を借りてご迷惑をおかけしましたが、猿に免じてお許しあれとお伝えしておきます。

犬の坂路調教は、今朝も続いております。爽快です。

コースの途中にシイタケ狩りやマスの掴み取りができる山の一軒家の茶屋があるんですが、そこに生まれて2ヵ月ほどの2匹のうり坊(猪の子)がいるんです。これがまた人懐っこくて可愛いんです。飛び跳ねるように動き回り、飼い主の傍から離れません。このまま大きくならなければ私が飼いたいぐらいですが、すぐに大きくなりますから、放し飼いのようにしていられるのも今だけでしょう。(この茶屋は別場所に猪園を所有していて、いつも10頭ほどの猪を飼っています。ただ店内で猪肉のバーベキューを提供してもいるんです。ウーン・・)

犬の運動帰りに出くわして、うり坊が興味深げに近づいて来て、ご対面となりました。

喧嘩することもなく互いに興味深く見つめ合っていましたよ。このまま一緒にいたら仲良い散歩仲間になったと思います。走らせたら犬と猪どちらが早いのか確かめてみたい気にもなりました。たぶん我が愛犬より猪の方が早いと思います。

まあ、山の生活には、都会で体験できないいろんなことがあるんです。さて、明日は何が起こるんでしょうかねぇ・・。

ちょうどこのぐらいのウリ坊でした。参考までに。
(画像:ブログ「北摂の生き物」より)



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