少しばかりのこの身の寒気を何とか我慢して、朝8時24分のレッドアローに乗った。池袋~大手町~西船橋。駅前から競馬場への運行バスを使うと、11時過ぎには招待ルームに到着する。いつも感じる関東1都2県にまたがる小さな旅。体調が悪いとシンドイ距離だ。 それでも行くのは、G1中毒症状なのだろう。それが私のクリスマス。でも、ここ2年続いていた私だけのサンタクロースは、今年は現れなかった・・・。 私のブログを見てくれている何人かの人たちから声がかかる。 「風邪はどうなの?」 「熱はないんだけど、だるくてだるくて・・」と、トロッとした眼で答えると、皆さん納得の表情。 午後からは日差しも出て来たので、一人静かにゴンドラの椅子に座ってコースを眺めていた。それだけではツマラナイので、9RのG2ホープフルSまでは、1000円札一枚取り出して6Rから8Rまで単勝10点遊びやら、枠連遊びで時間を過ごした。エネルギーの消耗を最小限にしたかったのだ。でも最初に取り出した1枚の1000円札が5枚ほどに増えてしまって苦笑い。 9Rは、ホープフルS。G2芝2000m。軸は藤沢和雄厩舎3頭目の刺客のルメール・レイデオロ。勝てば師走の2歳重賞は藤沢厩舎の完全制覇。まるで有馬記念の騎乗の予行演習をするかのように、あっさりと勝ち上がった。リーディングは戸崎圭太に僅差で譲ったとしても、2016年のルメールは、デムーロと共に印象度では圧倒している。さすがに最高獲得賞金騎手ではある。 そして本番。武豊キタサンブラックの現在の力は理解している。逃げ先行する馬の出走枠1枠1番が、どれだけ有利かも解っていた。しかし私は、事前に決めていたように今日は買わなかった。 3コーナーから4コーナーを抜け出すまでの騎手のテクニックと、直線坂を上りきるまでの激しい闘いを堪能しようと考えたからだった。 だから、ひとりゴンドラ席で、 「今日は大地の鼓動(サウンド)を聞きながら、宝石(ダイヤ・ルビー)や金(ゴールド)を探す旅に来たのだ」 とか呟いて、満足していた。 「金とダイヤをこの両手に」とも口にした。 そうでなければ、気迫のみなぎった直線の攻防が見られない。4コーナーを廻った直後に、武豊キタサンブラックに吉田隼人ゴールドアクターが並び、そこにデムーロ・サウンドオブアースとルメール・サトノダイヤモンドが押し寄せて、もしこの4頭が一瞬