遅かった梅雨も明けて、これからが毎日30数度の気温が続く夏本番。
そこで、ここ数年続いている暑さをしのいで涼を求めようと、久し振りに金魚を飼おうと決めた。
裏の池には和金がいたのだが、去年余りの数のオタマジャクシの誕生で池全体が酸欠状態に見舞われて、わずか3匹を救出しただけで、この雌1匹雄2匹の合計3匹は生き延びたが、またオタマジャクシの季節となったために、池から出して大きめのたらい桶の水槽に入れておいた。2匹の雄が1匹の雌を追いかける仕草をするようになったから、これでまた数も復活すると安心していたある夜、うし三つ時に、しばらく飼い犬が吠え止まなかったのだが、物音もせず、何も異常な気配もしないのでそのまま確かめずにいた。
ところが朝明るくなって表に出ると、2匹の和金の姿は見えず、隣のメダカの水槽も荒らされていて、その前に猿の毛玉が残っていた。
どうやら、山に餌が少なく空腹に耐えかねた猿が現れて、金魚やメダカを襲ったらしい。よくもまあ、メダカや金魚まで腹に詰め込もうとしたものだ。金魚もメダカも辺りに死骸すらなかったので、遊びで悪戯したのではないだろう。1匹だけ生き残った運の良い和金は、もう怯えるばかりで、餌当番である私でさえ水槽を覗く気配を感じると、恐怖のトラウマに見舞われたように泳いで逃げようとするようになってしまった。余程怖かったのだろう。
手に入れたのは、当歳のランチュウ5匹と、まだ色も変わっていない生まれたてのオランダ獅子頭。
それに水族館でも使われているという高品質のペレットタイプの餌。
その昔はランチュウなど高価だったが、今は丸みのある背中に、これからかなり育ってくるだろう肉瘤をしたランチュウでも、1匹1000円でおつりがくるほどで、さほどでもない。オランダ獅子頭の稚魚など200円もしないのだ。それも繁殖者から直接購入できるようになったからだろう。
久し振りに飼い始めて、改めて金魚の人懐っこさを確かめた。人の手を借りないと生きてはいけない種類だから、より野生に近い和金とは違うのかも知れない。
大きめのたらい桶の水槽を眺めていると、水の側にいるからか、何となく涼しげにも感じられるのが不思議だ。
その隣には、大甕に移したミナミヌマエビの子供も、今では10mmほどに成長して跳ねるように泳いでいる。
そしてそのまた隣には、同じく2016年産のメダカの稚魚が元気に群泳している。
そしてそのまた隣には、同じく2016年産のメダカの稚魚が元気に群泳している。
この夏、私は山の水族館の館長になった気分だ。
コメント
コメントを投稿