いつもの通り東京競馬場に着いたのは11時頃。 人波にもまれながらスタンドを横切り、東来賓受付から8階ダービールームに向かう。 と、いつものメンバーが揃っていた。微笑やかに挨拶を交わして着席。思うところがあってこの1週間タバコを止めていたが、タバコの買えない競馬場で頭の中がイライラするのを避けようと、駅で1週間振りに一箱買ってしまい、いざ出陣と心の準備は整えたが、買った後には、己の意志の弱さを悔やんでもいた。せっかく1週間も我慢していたのにと。でも止めるときに止められる自信を得たのだからと、都合良く自己納得してもいた。私の本質は、意志の弱い人間なのかも知れないが、あまりに禁煙にムキになるのも不自由だと感じるおおらかさを持っているのだ。 ワイワイ言いながら、山暮らしの日常とは違う賑やかな部屋の雰囲気に、今日は軍資金が多少少なかったこともあって心から馴染めず、そんな心境からだったろうが、ついペースを乱して5Rから競馬に参加してしまった。これも柄にもなくタバコを止めていた影響だろうか? 所沢までのレッドアローの中で、実は今日の9Rと10Rは新聞を広げて眼を通していた。閃いてもいた。 共に馬連3点のボックス予想で、9Rは、ルメール、ムーア、デムーロの外国人騎手の揃い踏み、10Rはボウマン、戸崎、ムーアを調教欄から選び出していた。 だからきちんと選んだレースだけに手を出したなら、いつものマイペースだったのだが、肝心のJCでは、ボウマンが乗って馬が走る気を示していたシュヴァルグランや、ルメールが調教で馬の気配を引き出していたレイデオロも、いつものように黒岩悠が馬を仕上げたキタサンブラックを外してみようと思っていたので、どうも平常心を失っていたのかも知れない。 シュヴァルグランやキタサンブラックを今日は応援しないと決めたのは、どうもオーナーサイドの濃い目の顔が馬よりも先に浮かんできて、あまり幸運を独占するなよなという庶民の意固地だったろうし、レイデオロはダービー馬だがまだ古馬の一線級とは闘っていなかったので、それならここ2戦古馬にもまれる体験を重ねた負担重量53Kgのソウルスターリングに期待してみるかと思ったのだった。 で、時間つなぎを兼ねて、つい5Rから手を出してしまったのだ。 しかし競馬場当日のテーブルで直感するだけの推理では、結果は惨敗。デ