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35℃超えの夏に~シジミ無料サンプル体験から

連日35℃を超える酷暑の日々が続いている。
経験では推し量れぬ大雨をもたらす台風も、いつも以上の頻度で列島に押し寄せ、不可思議な進路で意表を突いてくれている。

台風の直前には、山を飛び交うトンボの姿が増え、そよと吹く涼風も一瞬感じられたのだが、台風一過の後はまた35℃超えの日々が戻ってしまった。

そんな或る日のこと、バテバテの体を癒してみようかと、たまたま眼にした「シジミの無料サンプル」に応募してしまったのだ。以前から鍋で煮込んだ「シジミ汁(塩味でも味噌仕立てでも)」が、身体の芯に潜む疲労感に効き目があるのは判っていたので、たまに自分自身で煮立てもしていたが、この夏の酷暑の中、ついつい面倒になって無料サンプルを入手してみようかという気持ちになったのだ。

しかし・・・やはり、ただより高い物はないと思い知らされることになった。

自信があるものなら、押し売りしなくてもこちらから率先して購入のリピーターになるのに、それを待てないようなスピードで、連続して購入勧誘のパンフが送られてきて、おまけに「サンプルの効果はどうだったのか?」電話攻勢にさらされるようになってしまった。こんなことなら自分自身でシジミを買ってきて煮立てた方が、精神衛生上にもいい。まして酷暑に痛めつけられた身体は、サンプルの量ではなかなか元気回復という訳にはいかない。しばらく様子を見ながら、いずれ手間暇を考えて購入しようかと考えていたのだが、次々と押し売りのような勧誘があると、そんな気も失せてしまった。勧誘電話も迷惑電話番号に設定して着信拒否にし、宣伝メール攻勢も迷惑メールに設定して自衛した。

確かな効用があれば、それを実感して少しでも楽になったと実感できれば、進んでリピーターになろうと思っていたのに。1日当たり約100円、1ヵ月で3000円ほどの出費なので、何とかなる価格なのだが、それでも押しつけのようなものではない納得が生まれなければ、客にはただただ疑念が生まれて、飛びつくことはないと知るべきだろう。「サンプルをやったからさあ、次はお前が買う番だ」という営業は、少なくとも私には受け入れられない。

BS放送などでいかにもという宣伝を繰り返しているからなのか、相当に強引な営業手法となっているようだ。で、結局思い当たったのは、昔からの「ただより高い物はない」という名言だった。

そう言えば、ユニセフも栄養不良の世界の子供たちを救う3000円のキャンペーンを、かわいそうな赤ん坊の映像を流して続けているが、ひねくれ者の私には、あの30秒か1分ほどのTV局に払うCM代で、世界の何人の赤ん坊が救えるのかと考えてしまう。ネットの使い方次第で、無駄に放送メディアに支払うCM料を節約できるのではないだろうか?

ともあれ、話を戻せば、もう2度と無料サンプルには応募しないことにした。対応するのも面倒だし、しつこい勧誘もうるさいし・・・。

「元気回復のシジミは、今後は自家製にいたします」と、ここに宣言する。

かほどに暑い夏でなければ、私の心も無料サンプルに揺らがなかったろう。もうしばらく、想像を絶する暑さに警戒心を持って耐えるようににしようか。うん、そうしようではないか・・・・。

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